日本語と英語が言語的に遠いため、私達日本人が英語を学ぶに当たって、他の国の人よりも困難が伴います。

 まず、第一には、文法の違いです。基本的に、日本語はSOV、英語はSVOです。日本語にはない決まりや構造、例えば、助動詞によって文の意味が変わったり、動詞が変化したり、人ではないものが主語になったり、が英語にはありますが、私達はなかなかそれが実感できないということがあります。

 第二は、文字の違いです。英語はアルファベットという表音文字で表記されますが、日本語は漢字という表意文字とカタカナひらがなという表音文字を混ぜて書きます。表意文字と表音文字は、それらを処理する脳内の場所も処理過程も違うらしく、表音文字だけが連なる英語の読み書きに困難を感じます。

 第三は、音声上の違いです。日本語の音声は単純です。子音数も母音数も、英語に比べて極端に少ないので、英語の音声を聞き分けたり発音し分けたりすることに、困難を感じます。さらに、日本語はモーラという等しい長さの拍をもとにした高低アクセントの言語であり、かつ、子音だけが連続して発音されることは少なく、ほとんどが子音の後に母音がくるか、母音単独かのどちらかになります。それに比べて、英語は強弱ストレスの言語で、子音が連続して出てきます。私達は、どうしても、連続子音の発音に困難を感じたり、日本語の等拍発音を英語にも適応してしまったりします。

 以上のような三重苦に加えて、日本で生活するには、日本語を使うことで十分に足りるわけですから、日常生活に関することで英語学習に対する学習動機を維持するのは、不可能に近いと言えるでしょう。

 学校で10年も英語を勉強しても話せるようにならない
と学校の英語教育のせいにしたり、学校英語教育を変えなければならないと言う時の理由にされたりしますが、
授業時間に換算するとそんなに多くないのです。
しかも、以上のような三重苦を解消するには、まったく足りないということになるでしょう。


 もともと、日本人が英語をマスターするには、時間がかかるのです。
 学校での英語教育だけで、話せるようにはなりません。
 話せることをねらうのではなく、あくまでも基礎を培うことに、学校英語教育は専念すべきです。

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